からっぽの部屋
昨日引越しを終えた。
5年半住んだこの家。
なんにも無くなった部屋の中で一晩過ごしてみたけれど、なんだか寂しい。
からっぽの家では音は反響し、時間は持て余す。
日頃からシンプルを良しとしてきたけれど、何にも無いのとシンプルとは違うのだと知った。
9月7日は私にとって特別な日だった。
昔は。
でも移ろいゆく時間の中で、特別な日はただの日に変わっていく。
2016年の9月7日は昔を回顧する暇もなく、慌ただしく過ぎ去ってしまった。
うん、そういうものだ。
ケニアに旅立とうと決めて三ヶ月。
今回の旅の目的を何度も考えてみたけれど、答えは未だに出ない。
積年の想いを解放するためたのか。
口腔衛生の大切さを伝えるためなのか。
スラムに分け入っていくためなのか。
この先に続く何かを見つけるためなのか。
一つ言えるのは、これはもう行ってみないと分からないということ。
アンテナの準備だけは万全にして、現地ではしっかりと受け取る。
そのためにこの三ヶ月、ゴールもないのに奔走してきたんだ。
引越しの昨日は、私にとって一区切りだった。
仕事をやめ、会うべき人に会い、この部屋での生活にさよならする。
ほんとにこなせるのかという過密スケジュールに何度も不安になったけど、1日1日を全力疾走した。
こんなに突っ走るのは久々だった。
でも、終わってみれば面白かったな。
さぁ、少し余裕を取り戻してこれから。
これから私の人生がまた大きく動き出す。
どこに行き着くのかは分からないけど、それがたまらなく、いい。