旅の目的
ケニアに何をしに行くのだろう。
出発前にずっと考えていた。
でも、いくら考えても答えが出ないのだろうと思った。
実際にそこに行くまでは。
積年の想いを開放するためなのか。
歯磨き指導をするためなのか。
農業に触れるためなのか。
ざっくりとした大枠はあるような気がするけど、それを明確にするのは雲をつかむような話で。
何も決まらないまま、ただケニア行だけが決まっている。
そんな感じだった。
こんなあやふやなまま出発するのは楽しみと同時に不安もあって、医療キャンプの最中も、この先の生活が不安でストレスを感じていた。
ケニアに来てひと月。
少しずつ見えてきた、今回の旅の目的。
今一番来ている流れがパーマカルチャー。
ラスタの農園のあるムランガ。
タンザニアから来たパーマカルチャーに熱い日本人との出会い。
ナイロビの一企業のなかで実践されているアーバンパーマカルチャーの現場。
そしてまた導かれるように、来月の予定も決まった。
偶然が重なって知り得たパーマカルチャーのプログラム、ベーシックな知識から実践まで体験できるというから、聞いてすぐに行くことに決めた。
もうこの流れに乗って行けと、見えない力に後押しされているような感じ。
それに加えて歯磨き指導も少しずつ動き出してきた。
色んな人や価値観に触れる中で、医療に携わること、歯ブラシを推奨することが正しいのか分からなくなっていたけれど、少しずつ自分の中で折り合いもついてきた。
あとは自分が正しいと思ったことをやる。
それだけだ。
パーマカルチャーの理論を勉強する中で学んだ。
「問題にフォーカスするのではなく、解決策にフォーカスすること」
どんな難題にも必ず出口はあるはずだから、もしかしたらそのデメリットはメリットになるかもしれないということ。
なんて東洋的な考え方。
陰陽のマークが頭に浮かんだ。
なぜケニアにきたの?
この問いに対し、今ひとつ答えが出た。
それは、これからのライフスタイルを探すため。
自分がどんな価値観を軸にして生きていくのか、その軸をしっかり養って次のステージに進むための準備をしよう。
それが今回の旅の目的ならば、確実に前に進んでいる。
この調子。