☆ぐんぐるぱーにゃ☆な暮らし

なんやかんやとたどり着いた、ぐんぐるぱーにゃ。当たり前のようで当たり前じゃない。そんな世界が、目の前に広がっている!ありがとう、そしてさようなら昔のわたし!これから始まる「わたしライフ」をこそこそと綴っていきます~

Nyayo House

一昨日、3カ月の観光ビザが切れそうなので、イミグレーションオフィスのあるNyayo Houseに行ってきた。

かつて8カ月間滞在していた時も、ここにきてビザの延長を行った。

必要な書類を書いて、申請料金の2000シリングを支払って、指紋をとって終了。

 

ただ、今回の手続きで少し違うのは、Alien Cardなるものを申請しなければならないということ。

これはケニアに滞在している日本人ドクターからのアドバイスで、彼はAlien Cardを持っていなかったために、出国時に罰金を支払わされたらしい。

よくよく調べてみると、ビザ延長は無料、Alien Cardが2000シリングだったとのこと。

ビザ延長に2000シリング支払った彼はAlien Card分の料金をくすね取られたことになる。

ケニアンめ、やりやがったな。

こんなことを聞いていたもんだから、ビザ延長の申請書と、Alien Cardの申請書を書いて、必要なパスポート写真も用意して、準備万端で臨んだ。

 

Nyayo Houseに着いた。

対応するのはしかめ面をした女性オフィサーだ。

嫌な予感がした。

「ビザの延長と、Alien Cardの申請をしたいんだけど」

そう伝えると、オフィサーの顔がますますしかめ面になった。

「誰にそんなこと聞いたの」

Alien Cardを持っていないくて空港でチャージされたことがあったから」

そう言うと、彼女はぶっきらぼうに壁の貼り紙を指して答えた。

「それはオンラインで手続きが必要だから、このアドレスでやってちょうだい」

オンラインで手続きするなんて寝耳に水だから、詳しく情報を聞こうとしても相手をしてくれない。

その場でスマホでアクセスしてみてもそのウェブサイトには繋がらず、ねぇ繋がらないんだけどと聞いても、きっと回線が混んでいるからと取り合ってくれない。

最終的には窓口の前にいると邪魔だからと追い払われてしまった。

ここが日本だったら優しいお姉さんか誰かが丁寧に対応してくれるのに、くそぅ…

 

結局その日はどうすることもできず、Nyayo Houseを後にした。

本当にウェブサイトが存在するのかも不安だった。

 

家に帰って、すぐにインターネットからアクセスしてみた。

すると、繋がった。

ウェブサイトにしっかりと記載があった。

 

ビザ延長 無料

Alien Card 2000シリング

 

やはりドクターの言った通りだ。

ビザの延長は本来はお金はかからず、通常支払う2000シリングはAlien Cardに必要なものだったのだ。

その手続きをしないと、自動的にそのお金はオフィサーたちのポケットに入ることになる。

おそらくオンライン化されたのも、役人たちのこうした汚職を防ぐためのものだろう。

正規の手続きがいかなるものか、だれもはっきりとは教えてくれないので不安は残るが、とりあえずオンラインを信用してビザ延長とAlien Cardのフォームを入力し、2000シリングをクレジットカードで支払った。

最終的には申請書と支払い済みレシートのPDFをプリントアウトし、パスポートにスタンプをもらうというのがどうも流れのようだ。

 

翌日の昨日は、まずネットカフェで必要書類をプリントアウトし、そのままNyayo Houseへ向かった。

これで大丈夫という反面、最終的な手続きが終わるまで気は抜けない。

Nyayo Houseに着くと、窓口には昨日と同じ女性オフィサーがいる。

私の姿を見ると、そのオフィサーは後ろのスタッフとスワヒリ語で「昨日の…」とささやき始めた。

私みたいな正規の手続きを踏もうとしてくる人間は嫌に違いない。

それでも臆さずに必要書類を提出した。

「ビザ延長の書類がないわ」

いやいやあるでしょ、ちゃんと見てと言って指さした。

「入国時のスタンプのパスポートのコピーがないわ」

いやいや普通いらんでしょ、IDのページのコピーはあるのに。

そう思いながらも、言われるがまま近くのコピー機で印刷し、提出した。

これでクリア。

必要書類にサインされ、隣の窓口へと促された。

 

そこでは何やらチェックされ、さらに隣の窓口へ。

しばらく待つから椅子に座って待っていろと言われ、促されるまま待合の椅子に座る。

待つこと20分、いきなりチアキ!と呼ばれたかと思うと、あっちで指紋をとって来いとぶっきらぼうに言い放ち、別の方向を指さした。

 

言われるがままに行ってみると、部屋がいくつかある。

どこに行ってよいのか分からないので、とりあえずできている列に並んだ。

順番が来て部屋に入り、ここで指紋を取るように言われたんだけど、と説明すると、ここは違うからNo.15の部屋に行けと促された。

部屋番号があるならはじめから言ってくれればいいのに…

不親切な対応に苛立ちながら、15の部屋に入った。

「ここで指紋を取るように言われたんだけど」

「名前を呼んだけどいなかったから、外で待っていなさい」

はぁ。

 

しばらくして私の名前が呼ばれた。

慣れた手つきでおじさんがインクの用意をし始めた。

両手の指すべてにインクを付けさせられ、用紙にペタペタと指紋が押されていく。

真っ黒になった手元に申請書の半券とお手拭き用の濡れティッシュを無言で渡され、おじさんは次人の名前を呼んだ。

え?終わり?次の手順は?

「すみません。最初のところに戻ればいいんですか」

おじさんはちらっとこっちを見て頷いた。

あぁほんとに、不親切だ。

 

最初の窓口には私のパスポートが預けてあるのでそこに戻った。

私の前には一人、同様の手続きに来たヨーロッパ人男性が並んでいる。

手書きで記入したビザ延長用紙と2000シリングを持って。

 

この人に正規の手続きの方法を教えてあげたかったがもう遅かった。

すでにしかめ面女性オフィサーと話をし、すんなりビザのスタンプをゲットしていた。

指紋を取られることもないまま。

支払われた2000シリングはいったいどこへ行くのだろうか。

彼は空港で更なるお金をチャージされることになるのだろうか。

 

彼に少し申し訳ない気持ちのまま、私の番が来た。

「あなたのやってること、見てるよ」

そんなまなざしで彼女を見つめたが、そんなことにも気付かないようだ。

罪悪感はあるのか、この人たちは。

役人がこんなんだから、ケニアはいつまでたってもトラブル・トラブル。

問題も解決されないままなのだ。

 

私のパスポートについにスタンプが押された。

何度も何度も日付を見て、3カ月の延長がされていることを確認した。

「帰っていいわよ」

そう言われて安堵の気持ちで帰ろうとしたが、いや、待った。

もう一度窓口に並びなおした。

Alien Cardはいつできるの?」

「8週間後に取りに来て」

「パスポートと半券を持ってきたらいいの?」

「そう」

よし、これですべてが完了。

ようやくほっと一息つくことができた。

それにしても、こんな対応を平気でやっているケニアのgovernance。

本当にしょうもない。